医療費控除でいくら戻るかを計算する(源泉徴収票から)

源泉徴収票の3つの数と1年間の医療費を入れると、確定申告で戻る所得税(還付金)と、翌年の住民税が減る額を出します。確定申告書と同じ順に、課税される所得金額・税額・復興特別所得税まで1円単位で計算します。セルフメディケーション税制との比較や、ふるさと納税と一緒に申告するときにも使えます。

1. 年と給与

医療費控除は、5年前の分までさかのぼって申告できます。

給与の入れ方
給与所得の源泉徴収票 支払金額 給与所得控除後の金額 (調整控除後) 所得控除の額の 合計額 源泉徴収税額 生命保険料の 控除額 地震保険料の 控除額 住宅借入金等特別控除の額 ① ② ③ ④
円
円
円

その年の源泉徴収票(勤め先から12月〜1月にもらうもの)の数です。年の途中で退職して①②が空欄の人は、「年収から(目安)」で③の源泉徴収税額を入れてください。

円

受けていなければ空欄。

2. 医療費

円

病院・歯医者・薬局(治療のための市販薬も)・通院の電車やバス代など。生計を一にする家族の分も合わせられます。

円

生命保険の入院給付金、高額療養費、出産育児一時金など。その医療費の額までを入れます。

円

レシートに印がつく「税控除対象」の薬。上の医療費の合計にも含めます。

3. ふるさと納税・寄附(あれば)

円

ワンストップ特例を申請した分も入れます(確定申告をすると特例は使えなくなるため)。

戻るお金

使い方

  1. 医療費を払った年を選び、その年の源泉徴収票の ①給与所得控除後の金額(調整控除後)・②所得控除の額の合計額・③源泉徴収税額 を入れます。住宅ローン控除を受けている人は ④ も入れます。源泉徴収票がまだない人は「年収から(目安)」で入れます。
  2. 1年間に払った医療費の合計と、保険などで補てんされる金額を入れます。医療費控除の集計に領収書を入れてある人は、「医療費控除の集計から読み込む」で入ります。
  3. 確定申告で戻る所得税(還付金)と、翌年の住民税が減る額が出ます。下の「計算の明細」は、確定申告書の第一表と同じ順です。

入力した数は送信しません。計算は、このページの中(ブラウザ)で行います。入れた数は、このブラウザにだけ残ります。

いくら戻るか(早見表)

2026年分、給与だけ・独身・社会保険料は年収の15%・ほかの控除なし・医療費は補てんのあとの額、で計算したものです。左が確定申告で戻る所得税、右が翌年度の住民税の減る額(約)です。

年収と医療費ごとの、戻るお金
年収医療費 15万円20万円30万円50万円
300万円2,496円+約5,000円5,049円+約10,000円10,154円+約20,000円20,364円+約40,000円
400万円2,477円+約5,000円5,029円+約10,000円10,134円+約20,000円20,344円+約40,000円
500万円2,494円+約5,000円5,047円+約10,000円10,152円+約20,000円20,362円+約40,000円
600万円5,071円+約5,000円10,176円+約10,000円20,386円+約20,000円40,806円+約40,000円
800万円10,122円+約5,000円20,332円+約10,000円40,752円+約20,000円81,592円+約40,000円
1,000万円10,182円+約5,000円20,392円+約10,000円40,812円+約20,000円81,652円+約40,000円

戻る所得税は「医療費控除の額 × 所得税の税率(5〜45%)× 102.1%」くらいで、税率は課税される所得金額で決まります。年収が同じでも、扶養している家族や生命保険料控除で税率が変わります。きちんと知りたいときは、源泉徴収票の数で計算してください。

医療費控除の額

1年間に払った医療費 補てんされる額 10万円 医療費控除の額 10万円:総所得金額等が200万円未満の人は、その5% 医療費控除の額は最高200万円。この額 × 税率が戻る
補てんされる額は、その給付の目的になった医療費から引きます。引ききれなくても、ほかの医療費からは引きません。
  • 「総所得金額等」は、給与だけの人なら源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」です。これが200万円未満(給与だけなら年収297万2千円未満)の人は、10万円ではなくその5%を引くので、医療費が10万円に届かなくても控除が出ます。
  • 補てんされる金額は、生命保険の入院給付金・医療保険の給付金、健康保険の高額療養費・家族療養費、出産育児一時金などです。
  • 生計を一にする配偶者・子・親の医療費は、まとめて1人が申告できます。税率の高い人(所得の多い人)が申告するほうが、戻る額は多くなります。

戻る所得税の計算のしかた

確定申告書の第一表と同じ順に計算します。

  1. 所得金額(給与所得)から、所得控除の合計(源泉徴収票の②)・医療費控除・寄附金控除を引き、1,000円未満を切り捨てて「課税される所得金額」にします。
  2. 税率の表(195万円以下5%、330万円以下10%−97,500円、695万円以下20%−427,500円、900万円以下23%−636,000円、1,800万円以下33%−1,536,000円、4,000万円以下40%−2,796,000円、それより上45%−4,796,000円)で税額を出します。
  3. 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を引いて「基準所得税額」にし、その2.1%(1円未満切り捨て)の復興特別所得税を足します。
  4. 源泉徴収税額(③)との差が、戻る税金(還付金)です。還付のときは端数を切り捨てません。

年末調整の年税額は「基準所得税額 × 102.1%」の100円未満を切り捨てた額なので、確定申告の計算とは数十円ちがうことがあります。そのため、戻る額は「控除額 × 税率」より少しずれます。

住民税

医療費控除は住民税にも同じ額で効きます。住民税の所得割は10%なので、医療費控除の額のおよそ10%が、翌年6月からの住民税(給与から引かれる額)で減ります。戻ってくるのではなく、払う額が少なくなります。確定申告をすれば、住民税のための別の手続きはいりません。

セルフメディケーション税制

対象の市販薬(パッケージやレシートに「セルフメディケーション 税控除対象」の印があるもの)を1年に12,000円より多く買った人は、医療費控除の代わりに「対象の市販薬 − 12,000円(最高88,000円)」を控除できます。どちらか一方だけで、健康診断・予防接種などを受けていることが条件です。市販薬の額を入れると、どちらが多く戻るかを比べます。医療費が10万円に届かない人は、こちらが得になることがあります。

ふるさと納税をした人

ワンストップ特例を申請していても、医療費控除で確定申告をすると、特例は使えなくなります。確定申告書に寄附金控除(寄附した額 − 2,000円)を必ず書いてください。書かないと、住民税からの控除も受けられません。寄附した額を入れると、寄附金控除も入れて計算します。

よくある質問

いつ、どこに戻ってきますか?

確定申告書に書いた口座に振り込まれます。e-Tax で出すと3週間くらい、紙で出すと1か月半くらいが目安です。還付だけの申告は、1月1日から出せます(2月16日からの確定申告の期間を待たなくてよい)。

年末調整で医療費控除はできますか?

できません。医療費控除は、会社員でも自分で確定申告をします。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作るか、e-Tax(マイナンバーカード)で出せます。医療費の明細は医療費控除の集計で国税庁のフォームに書き出せます。

前の年の分も申告できますか?

還付の申告は、その年の翌年1月1日から5年間できます。2026年の秋なら、2021年分から出せます(2021年分は2026年12月31日まで)。このツールは2022年分からです。

住宅ローン控除で所得税が0円です。

所得税が0円なら、医療費控除で所得税は戻りません。住宅ローン控除の引ききれない分は住民税から引かれているので、医療費控除で住民税が減ることもありますが、住宅ローン控除の上限との関係で、減らないこともあります。

源泉徴収票の数を入れたら「合いません」と出ました。

入れた①②から計算した年税額が、③の源泉徴収税額と合わないときに出します。数の入れちがいでなければ、年末調整を受けていない(年の途中で退職した、2か所から給与がある)、2024年分で定額減税の欄を入れていない、などが考えられます。戻る額は、③との差で出しています。

副業や年金の所得もあります。

このツールは、給与だけの人の計算です。給与のほかに所得がある人は、それも合わせて確定申告するので、戻る額が変わります。

出典

国税庁「令和7年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」(課税される所得金額の1,000円未満切り捨て、復興特別所得税の1円未満切り捨て、申告納税額の黒字は100円未満切り捨て・赤字はそのまま)、タックスアンサー No.1120(医療費を支払ったとき)・No.1129(セルフメディケーション税制)・No.1150(寄附金控除)・No.1410(給与所得控除)・No.1199(基礎控除)・No.2260(所得税の税率)、「令和7年分 年末調整のしかた」の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表、「令和6年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」(令和6年分特別税額控除)。